「伝統を守る」とはすばらしいことだと思っている。
時代の変化により事業の形態は変われども、会社の核とも言える「経営指針」を永きに渡り継承していくことは大変なことである。
代を継承していく間に社内において人の問題が起こったり、景気や業界の事業システムに変化が出てきて、急ピッチで改革をしていく時期を経験したり、様々である。
伝統ある会社は、すべてとは言わないが、これらを乗り越えて、今を作り出している。
伝統とは何も事業を引き継ぐことだけが伝統ではない。伝統はその時々で会社の文化を作っていき、その積み重ねがノウハウになっていく。
伝統を軽く見ている人間が経営する会社のやることは、自分が楽しむためのマネーゲームだと私は勝手に思っている。
私は保険代理店の社長として3代目だ。
金融業界も45年前と比べると大きく変化した。昔のような甘い考えで事業をしていたら、3年持たない。
プランナーもお客様の人生設計を担うのだから、自分に対しても厳しい目が必要である。お客様は人に保険料を払う。人の価値が出せなかったら通販やWEBでいいのだ。
カタログには載っていない幅広い知識や技術があるから「価値」があるのだ。自分に甘い人間はこの価値を上げる努力を怠る。
「貢献なくして繁栄なし」
この精神をしっかり浸透させていくことが私の役割だ。
伝統と変化はリンクする。
時代・ビジネスシステムが大きく変化しても、「次の代に繋げる伝統や文化」は、これからも大切にしていきたい。